部下のNくんが昇格試験を受けることになりました。
私の会社では、自己推薦書すなわち自分で「僕は昇格に値するよー」とアピールする書類を提出するのが第一関門です。
「文章を書くのは苦手だ!」と堂々と言い切ってしまうNくん(心配でしかない。笑)が作ってきた第一稿にはつっこみどころ満載。
Nくんがつまずいたところをもとに、わかりやすい文章のポイントをまとめてみました。
昇格推薦書だけでなく、文章全般にも適用できると思います。
誰に読んでほしいのか、その人からどういう結果を得たいのかを決める
文章には必ず伝えるべき相手がいます。
そして、その相手からどういう結果を得たいのか、何を期待しているのかを考えます。
今回は「人事部」から「昇格試験受験の資格を得る」ことです。
相手のレベル感、話の粒度・次元・階層を意識する
当事者はどうしても細かい話をしがちです。
でもそれが伝えたい相手に合ったレベル感なのかということが大切。
Nくんは自分の業績アピールのために専門的なことをたくさん並べていました。
確かに具体性は必要なのですが、相手は人事部。専門的なことはよくわかりません。
むしろ、そのたくさんの専門的なことによって要は何が一番言いたいのか、というもう一段階上のことを書く必要がありました。
たとえば、
初期段階の課題であった〇〇、〇〇、〇〇を回避して新法を確立した。
↓
初期段階の複数の課題を解決して新法を確立し、△△を遅延なく達成した。
こんな感じ。
〇〇は細かすぎて不要、「新法を確立した」は終わりでなくて、その結果どんな何が良かったかというと「△△を遅延なく達成した」。
これが業績上大切なところなわけです。
逆に、これが後輩への自慢話だったら〇〇について語っていればよかったんですが。
Nくんには若干そういうところがあるので、いつもの延長になってしまったというとことでしょうか(苦笑)。
当たり前を疑う
細かいところを一生懸命説明していた一方で、ここぞというところがさらっと流されていてアピールが足りませんでした。
これは、NくんがNくん自身の強みを理解しきれていないということです。
まあ、ちょっとすごいかなと思ってるから書いてきたんだとは思うんですが、どこまでが誰にでもできる「当たり前」で、どこからがNくんオリジナルで特別なのかの認識が不明瞭でした。
自分では「当然」「普通」と思っていることが相手に伝わらないことって結構あります。
あと、略語とか専門用語とかも危険ですよね。実は自分たちしか使わないようなものだったり。
長いこと同じ組織、業界にいると慣れてきてしまうので注意が必要です。
根拠、理由をつける
能力評価の欄で、「企画力」を項目に挙げて、その説明が「・・・を組み立てる企画力を有している」でした。
だから、なんで企画力が高いのか知りたいんだって!
って突っ込みたくなりませんか?
根拠となる具体的な行動を書く必要があります。こんなときにこんなことをしてこんな成果が出たので企画力が高いと言える、みたいな感じです。
これを指摘すると、次のバージョンからは企画力が消えました(笑)。
その他気になった点
あとは国語の問題みたいですが、句読点の位置と量(読点が多すぎた)、修飾語の位置などが気になりました。
まとめ
読みやすい文章を書くには、仕組みを知ってトレーニングをすることだと思います。
いい大人に指導するなんてと思ってしまうけど、大切なことだからこれからもきちんと見ていきたいです。
#63
投稿者プロフィール

- 都内在住アラフォー企業研究者。職場の人間関係に悩んだ経験から、「自分らしさ」「自己肯定感」を模索する日々。特技は料理。長年の不定愁訴を解消すべく分子栄養学と結び付けて健康で美味しい食生活を目指している。好きなモノは美味しいものとオットくん。趣味は旅行と山歩きと飲み歩き。♦ Facebookページ ♦ Twitter
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